おうちのかたへ

やさしさのエッセンス

第4回お子さんといっしょに、お世話遊びを楽しむ親の笑顔こそ心身の健やかな成長の出発点。

 お子さんが人形遊びに興味を示す乳幼児期というのは、周囲からの刺激や情報をお子さんなりに学び取っていくとても大事な時期でもあります。例えば着せ替えによって指先などの運動機能が発達しますし、母親が自分をお世話してくれるように自分がお人形をお世話することで、母親の気持ちを追体験し、愛情や思いやりの心も育まれます。こうした変化を、大人である私たちは「運動能力」、「知性」、「感性」……と分けて考えがちですが、子供は一つの事象からでも様々な成長の芽を同時につかみ取っていきます。つまり、五感を使った多様な体験こそが、感性や探求心、論理的な考え方といった、生きる力の源でもあるのです。

 私たちの研究では、お子さんにも気質の違いがあることが分かっており、人形遊びなどにあまり興味を示さない場合もあります。しかし、親の一方的な子育て観や価値観で子供を"判断"してはいけません。むしろ大切なのは、お子さんと一緒に、遊びを工夫し、その楽しさを"共有"すること。この"共有型のしつけ"は、国際的な比較研究を通じても、お子さんの考える力や問題解決能力を育むのに有効であるとの結論に至っています。

 きっと遊んでいる最中には、お人形を投げる・引っ張るなど、あまり良くない行動を起こすこともあるでしょう。でも「ダメ!」と怒るのではなく、「お人形さん、痛がっているんじゃないかな」などと、子供の想像力に働きかけるようなことばがけで、お子さん自らが判断できるように接してあげてください。また、病院などで待ち時間が長くなりそうな時も、ぜひ愛着のあるお人形さんを連れて行ってあげましょう。そして、「お人形さんをお世話しながら待っていようね」のように、お子さんを信頼した、提案型のことばかけも大切ですね。

取材協力 内田伸子先生

お茶の水女子大学 客員教授・名誉教授

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